ひとりごと 増税?!について
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
12月は国の予算編成の時期に当たるので、防衛費のこと、NISAのこと、反撃能力のことなど国の根幹に関わる重要事項が議論されています。といっても国会でやらねばならないような事項が与党だけで決められています。逆に国会では統一教会問題など枝葉末節な案件ばかり議論されていることに、この国の民主主義のあり方に疑問を感じてしまいます。
防衛費をGDPの2%にするということは基本的に賛同しますが、財源問題は相変わらず先送りという情けない状態だと感じます。お金の出入りにつき新聞などの情報から私なりに整理すると、
・今のGDP比1%というのは、過去の政府が約束した数字で、実際には関連の支出を含めるともっと大きな規模である。
・ウクライナ危機でドイツなどが2%を目標にしたので、日本も追随しなければならない。関連の支出も含めての2%なので、今の倍になるわけではない。防衛費は2023年~27年の5年間に総額43兆円にする、今の1.5倍に相当するといいます。これを踏まえて私が単純に計算すると毎年2.8兆円のお金が追加で必要になります。(43兆円x0.5/1.5÷5年)
・与党は法人税、所得税、たばこ税の3税で年間1兆円を増やしたいといいます。
・所得税については、東日本大震災の復興特別所得税2.1%を1%引き下げて、同時に防衛費に1%の新税を設けるとのこと。毎月の税額は変わらないが、復興税の期限が伸びるということで、問題解決の先送りにすぎません。
・必要な2.8兆円と増やしたい1兆円の差額、1.8兆円はどこから来るのか明確ではありません。多分国債により賄うということでしょう。つまり、大部分は将来世代への先送りです。
・また、日本は国債の発行を原則禁止しています。特に戦争のための国債は出さないことにしています。それは、国債を出しまくって戦争の資金を工面した太平洋戦争時の反省によるものだと聞きます。
・私は必要なことは増税もやむなしと思います。自民党は当面選挙がなく思い切ったことができる期間をもらっているはずです。なのにこの体たらくは情けない。野党も自民党を閣内不一致、党内不一致などと批判することをやめて、議論を国会の場に持っていって、将来世代までを見据えた議論をしてほしいものです。