ひとりごと 多様な意見を大切にしよう
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
最近の風潮を見ていると、多くの人の意見が一方に偏っており、反対意見を言おうものなら汚い言葉でつぶされてしまうということに強い危機を感じます。
1)吉本興業の芸人が反社会勢力からの仕事をうけていた事件。私はこの芸人のことも、通常、芸能プロダクションが芸人とどのような契約関係にあるのか(少なくとも一般企業の雇用関係とは違うはず)、闇営業は特殊なケースなのか、という知識を持ち合わせていないので、だれが正義で悪かを言える立場ではありません。しかし、芸人の涙の会見以降、だれも吉本を支持する意見は言えなくなってしまいました。いくら社長相手とは言え5時間半もの会見は拷問以外の何物でもない。記者の連中にそんな権限があるのか。あってはならないと考えます。
2)日本が韓国を輸出手続きのホワイト国からの除外を決定した8月2日は日韓関係において歴史的な1日になるかもしれません。ここまでもつれてしまった関係は、改善するのにしばらく時間がかかると思います。しかしこの問題においても、勇ましい声ばかりが目立ち、多様な意見が飛び交うと言った環境がないことを危うく感じます。
3)就職情報サイト「リクナビ」が就活学生の情報閲覧商法をAIで解析し算出した「内定辞退率」を企業に提供していた問題。確かにリクナビのやり方はアウトでしょう。しかし、この問題の根底には学生が内定を辞退するのを良しとするこの国の慣習があります。雇用は契約です。雇われるほうだけが一方的に契約を解除しても構わないという考え方はおかしいし、これから社会に出ようという若者に誤ったメッセージを伝えるものではないでしょうか。
SNSの発達がたくさんの情報を運ぶようになりましたが、同時に考えが画一的になり、違う意見を言おうものなら汚い言葉で批判される世相。多様な意見を大切にし、人の意見に耳を傾けた上で、個々人が自分の意見を持つことが求められている時代だと思います。