ひとりごと イギリス議会と厚労省統計のこと
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
1) イギリス議会の体たらくさにあきれています。EU離脱を巡る法案を議会はまったく決めることができず、混乱に拍車をかけています。イギリスの議会といえば世界中の多くの民主主義国家から「議会の母」と呼ばれ、模範とされてきました。私も党首口論をテレビで見たことがありますが素晴らしいと思っていました。しかしながら、今回の騒動を見てこれも地に落ちたと思います。
3年前、EU残留を決める国民投票に敗れたキャメロン首相が辞任し、代わって離脱派のリーダーが首相に就任するものだと思われていましたが、彼がしり込みしたために、残留派だったメイ氏に首相というお鉢が回ってきた経緯があります。本心では離脱に反対であろうと思われるメイ首相がこれだけ頑張っているのに、自分の主張を繰り返し、混迷を解消できないイギリス議会はもう必要ないのではないかと思うのです。
2) アメリカのトランプ大統領がメキシコの壁建設問題で、野党と対立し、議会で予算が通らず、多くの役所が閉まっていると報道されています。予算が通らないと給料が払えないので、役人が出勤しない。当たり前と言えばそうなのですが、日本で同じようなことは起きないのでしょうね。
片や先週の日本。厚生労働省の統計の取り方がずさんだったということで、少なく払ってしまった失業給付金を延べ2000万人に対して600億円も追加で払うらしい。そのためのシステム改修費などの経費が別に200億円もかかるという。こんな大きな支出が閣議ひとつで決まってしまうというこのお気楽さ。600億円÷2000万人=¥3,000.きちんと計算し直すと言っても財源は私たちの税金や雇用保険料です。そんなのに巨額の経費をかけるくらいなら、大臣が土下座のひとつでもしてご免チャイできないのだろうか。