ひとりごと 安田さんをめぐる自己責任論について
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
中東の紛争地で捉えられた後、先週帰国したジャーナリストの安田さんをめぐっては、自己責任なのだから政府が助ける必要はなかったという意見が、ネット上をにぎわしています。ヤフーニュースのコメント欄では、彼を擁護する意見はひとつもなく、厳しい言葉が飛び交っています。ある程度選別している(だろう)サイトでこれですから、ツイッターなどでは、どれだけ汚い言葉が飛び交っていることだろうと想像します。彼を擁護する発言をしようものなら、たちまち自分がたたかれそうな様相です。このままでは彼は日本に身の置き場がなくなり、再び同じ場所に旅立っていくかもしれません。
しかし、私はこう思います。出来事や人には2面性があり、それを大切にすることも必要だと。私だって彼が捉えられていた期間にどのようなことを見聞きしたのか知りたいですし、それがテロリストとの和解、または撲滅につながっていけるのならよいことだと思います。彼の口をふさぐのではなく、その経験を生かすことも必要なのです。
NHKの「フェイクニュース」というドラマを見ました。ネットで情報を配信する人たちはPV(ページビュー=そのページを見た人の数)を稼ぐことが第一で、記事に裏付けがなくても、あるいはうそでも構わないと思っている人もいるということです。私たちはこのような奴らに自分の考えを操作されてはなりません。個人個人が周りの雰囲気に流されず、正しい情報を取り、自分の考えをきちんと持たなければならない時がまさに訪れていると感じます。