政府はパートやアルバイトが保険料を払うと手取りが減る「年収の壁」を見直す動きを始めています。年収が130万円(従業員101人以上の企業は106万円)を超えると年金と健康保険に加入する必要があり、それにより手取りが減ることを避けるために勤務時間を抑えるパート、アルバイトが多くいます。賃上げするとさらに時間数を減らすという状態になっています。これを防ぐために、政府は1週間の労働時間を週3時間以上伸ばし、基本給を3%以上上げた場合などに、ひとり当たり50万円を雇用保険から助成するという仕組みを検討しています。これにより、「働き損」を解消し、多くの時間働いてもらおうということですが、場当たり感、バラマキ感は否めない上に、年金、健康保険とは関係がない雇用保険を財源とするというおかしな制度だと考えます。

　かつて多かった専業主婦が保険料を払わずに恩恵を受けられる第3号被保険者制度ですが、多くの夫婦が共働きとなった現在では不平等な制度だと言わざるを得ません。私は、第3号被保険者制度は廃止し、国民全員が(収入がない人には別の救済策を考える)保険料を納めるようにすることが唯一の解決策だと考えます。そう言う私の妻もずっと第3号ですが。