ひとりごと 統計のための調査について
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
政府統計の精度が問題になっています。国土交通省の役人が意図的にデータを改ざんしていたことは許されません。しかし、今回の問題のもとをたどれば、建築会社は毎月、受注の情報を都道府県に提出しなければならないが、締切に間に合わないものが1割ほどあり、それが二重計上されたことの原因になったといいます。
私のところにも、政府、大阪府、大学の研究室などから調査の回答依頼がたくさん来ます。中には、過去10年間の設備投資について回答するものとか、昨年の出荷数量を都道府県別に調べなければならないものなど、回答のハードルが高いものもあります。工業統計調査など大切だと思われるものには回答しますが、それ以外の質問状は申し訳ありませんがゴミ箱行きです。政策立案のためには統計が必要なことはわかりますが、答える方はたまったものではありません。集計する側も高額な費用をかけるだけの価値のあるデータが取れるのか疑問です。
色々なデータをその都度集めるのではなく、間違いの少ないだろう納税のデータをはじめとしたビッグデータをひとところに集めて、利活用できるようにすれば簡単で正確なものが取れるはずなのにと思います。デジタル技術を使って生産性を上げることをもっと真剣に考えるべきだと考えます。
開催中の国会の予算委員会を見聞きすると、この国の将来像などはそっちのけで、10万円の配布方法などどうでもよさそうなことばかり議論しています。ま、前からそうですが。