ひとりごと 「ばらまき」論争について
(毎週月曜日に社員向けに社長新聞を発行しています。その末尾の記事、「ひとりごと」を転載します。
世間の出来事をいろいろな側面から見てみようという意図もあるので、かなり偏った表現もありますが、ご容赦ください。 増田昭雄)
先週、財務省の矢野事務次官が各政党の新型コロナの経済対策をめぐる政策論争を「バラマキ合戦」だと批判しました。私はこの主張が掲載されている文藝春秋を読みましたが、矢野さんがおっしゃっていることはその通りだと思います。「このままでは日本は沈没してしまう」「経済成長だけで財政健全化できるというのは幻想だ」「対策としてはすでに、菅内閣で十分な予算を計上している」「消費税を下げるというのは、実施までの半年以上の期間、買い控えに誘導するので逆効果だ」「他の先進国は対策費を計上する場合にはそのための財源を明確にしている」などの主張です。
これに対し、多くの政治家や評論家が反論しました。高市早苗 自民党政調会長に至っては、日本の国債は日本円で発行されているので暴落することはないと、発言しています。
しかし、日本国債の格付けが下がれば、日本の生保や銀行は一斉に売りに出るでしょう。なんとしても、日本国債を守るなどという金融機関があるはずがありません。また借りたものは返さねばならないという子どもでも分かる理屈が分っていないのでしょうか。そもそも30年間やってきた財政出動と低金利で景気をよくしようという策が失敗だった、という反省が政治家にまったくありません。
日本の国力回復には、これまでの方針を転換し、ぬるぬるのバラマキではなく、金利を上げ、規制を緩和し、適正な競争を取り戻し、社会を活性化させ、財政を安定化させるしかないと私は考えます。